北緯35度21分39秒
東経138度43分39秒
海抜3776m
空気の濃度は平地の約70%
冬場はマイナス20度にもなるその場所は
2500mあたりの森林限界を超えると
草木もほとんど生えない荒涼とした岩山地帯が広がっている
呼吸を整え、一歩、また一歩と延々に続く斜面に足を蹴り出す
ふりしぼる一歩があまりに小さく無力で切なくなる
頂上が見えているだけに余計につらい
振り替えると真っ白い雲の海に浮いていた
白い雲は生き物のように膨らんだり消えてなくなったりをくり返してる
頭の中は真っ白になった
夜中1時に起床
山頂へのアタック開始
大気はとても安定している
風もほとんどない
気温5度
ヘッドライトの明かりで足下を照らしながら暗闇をすすむ
見下ろせばいくつもの光が列をなして登ってくる
まるで死者があの世にむかって歩く行列を連想させる
上を見れば、ゆらゆら続く明かりの行列は満点の星空に向かってのびていて
星のひとつひとつになって天の川に溶け込んでしまいそうだ
日の出まであと少し
動いていないと身体の末端から感覚を失っていく
時計を見るが、さっき見てからまだ1分も経ってない
やがて濃紺の空は明るい碧へと色を変え
うっすらオレンジ色が地平線に広がってゆく
少しずつ頬に熱を感じる
やがて圧倒的な光の束が身体を突き抜けて朝が訪れる
2012年8月20日 日本最高峰富士山登頂
(3回目w)
スタッフダイアリー
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