スタッフダイアリー

とろけるような……

コンテンツ事業部の坂井です。

弊社のiOS向け電子書籍作品第一弾としてリリースした伊集院静「なぎさホテル」。

この作品は、若き日の伊集院先生が離婚で財産を失い、あてもなく立ち寄った湘南の逗子海岸で、ホテルの支配人と知り合ったことがきっかけでそこに7年半も住み続けたという実話に基づいた自伝的作品です。

湘南というと真っ先に思い浮かぶのは大仏のある鎌倉やサザンオールスターズでおなじみの茅ヶ崎など、全国的に名の通った場所が有名ですが、逗子もとても素敵な場所です。「なぎさホテル」では逗子の穏やかな海の様子が伊集院先生の美麗な筆致で描かれています。

「なぎさホテル」は私にとっても初めて電子書籍を編集した思い出深い作品です。夏休みを利用して「なぎさホテル」の動画ロケで訪れて以来、逗子海岸へ足を運んでみました。

左手に葉山、右手に小坪とそれぞれ港に囲まれた逗子のビーチは、夕方になると人もまばらで山の稜線に夕焼けが美しく穏やかに沈んでいきます。伊集院先生が7年間住んだというのも納得の美しい光景です。時間がゆっくりと流れていくような感覚になる、とろけるようなサンセットでした。





なぎさホテルは平成元年に取り壊されて、跡地にはファミリーレストランが2件建っているだけ。もし現存していたら一度は泊まってみたかったですが……。せっかくなので、なぎさホテル跡地のファミレスでジャンボ・ハンバーグを食べてみました。こちらは、とろけるようなチェダーチーズでした。





作品中には実名では書かれていませんが、なぎさホテルは伊集院先生と前妻である故・夏目雅子さんが愛を育んだ思い出の場所でもあるのです。その頃の思い出を伊集院先生が語ったインタビュー動画は特典映像に収録しています。どんなロマンチックな恋愛だったのでしょうか?





人生における出会いと別れを描き、そしてその作品が描かれた背景も同時に知ることができる電子書籍「なぎさホテル」。iPhone・iPadにインストールして逗子海岸で読むのがオススメです!