スタッフダイアリー

町内会役員になって気づいた事

Creative Plus 制作部の杉本です。
私は札幌事業所にて勤務しております!

3月も末になり、今期もいよいよ終わりを迎えようとしていますが、
この1年、私は住んでいる地域の町内会で初めて役員を務めました。

正直なところ、自ら手を挙げたわけではなく、「順番が回ってきたから」という、いわゆる持ち回りでのスタート。ですが、いざ中に入ってみると、色々な事に気づかされましたし
今まで「町内会って何をしているんだろう?」「そもそも必要なのかな?」と
抱いていた疑問がクリアになる、とても良い経験でした。
今回はその一部をお伝えしたいと思います。

まずはこちらの写真をご覧ください


(数年前の自分の子供が参加した町内会子供クリスマス会)

これは数年前。私の子供がまだ小さかった頃の町内会クリスマス会の様子です。当時は「参加する側」として、地域の方たちが用意してくれた場を、親子でただ楽しませてもらっていました。
大きくなった子供もそのことをよく覚えているし楽しかったと言っていますので、
こどもたちにとっては、とても良い体験だったと思います

今回、気が重いながらも「順番」を引き受けたのは、かつて誰かがこの笑顔を作ってくれていたのだ、という恩返しの気持ちがどこかにあったからです。


さて、少し話は逸れますが、私がCreative Plusでやっている業務は、デザインに関わる仕事です。主にディレクションをしていますが、デジタルコンテンツ制作も多いので、基本的にはデジタルなツールや方法、例えば最近より使われるようになったAIの活用などもしています。
その業務の中で、「より効率的に、よりスマートに情報を伝えるには?」のような事を考える事もありますが、
町内会の仕事においても「なぜ未だに紙の回覧板?」「LINEやPDFにすれば一瞬で終わるのに」という考えが真っ先に浮かびました。

しかし、現実はそう簡単ではありませんでした。
役員として各家庭を回る中で痛感したのは、「デジタル化という正論」が届かない圧倒的な現実です。
地域には独居高齢者の方も多く、スマホを持っていない、あるいは「LINEで連絡」と言われても操作が難しいという方が大勢いらっしゃいます。

また、役員の仕事の中には、一軒一軒を回って町内会費を集めるという、非常にアナログな業務があります。
これには、さすがにデジタル化とまではいかなくとも、「振込制にすればお互い楽なのに」と思っていました。

しかし、ある出来事がその考えを一変させました。

別の役員の方が、あるご高齢の独り暮らしのお宅を町内会の集金で訪ねた時、少し暗くなってきた夕方だったのですが、そのお宅は電気も点かず、暖房も入っていない状態だったそうです。
お話を聞くと、病気で動けず、食事もあまり食べておらず、公共料金の支払いも止まってしまっていたとのことでした。もし、町内会が「効率的」な振込制を採用し、対面での接点が失われていたら、と考えると最悪な事態になっていたかもしれません。

結果として、役員たちで行政と連携し、支援に繋げることができました。札幌の厳しい冬の中、最悪の事態を、アナログで非効率な方法が食い止めたのかなと思います。

私は普段の業務を通じて、常に最新のツールの使用や方法を推奨しています。
しかし、町内会の現場には、スマホを持たない、あるいは操作が困難な高齢者の方々という、圧倒的な「デジタルの壁」が存在します。

効率を優先してデジタル化を推し進めることは、同時に、今回のようなSOSを発している人たちの「最後の接点」を断ち切ってしまうリスクもあるのだなと思いました。

ちなみに私の役員としての主な仕事は会計担当でした。
さすがに色々な収入と支出を記録する出納帳などは、エクセルデータとしてテンプレートがあり
デジタル化していましたが、この会計担当に選ばれたのも、他の役員の方が高齢で
パソコンを使用できなく、単純に「パソコンを使用できるから」というだけの理由で、改めて地域の高齢化とデジタルの壁を実感しました。
10年前は全て手書きで記録していたという話を聞き、非常に驚いたのも記憶にあります。

もうすぐ役員の任期は終わりますが、終わってみれば「やってよかった」と素直に思える1年でした。
解決できない問題も多く、答えがすぐには出ないのかなと思いますが
「効率」だけでなく、地域のつながりや安全網を、デジタルの力でどう補完し、どう守っていくべきか。
数年後もまた役員が回ってくるのですから、地域に住む一人の人間として、考え続けていきたいと思います。